ベルギー旅行

4月末から先週初めにかけて,ベルギーに行ってきた。
パリに飛行機で入り,ブルージュナミュール→デュルビュイ→ブリュッセルとまわり,パリから帰国したのだが,どこもとても印象的なところであった。とりあえずいくつかの感想を。

ロップス美術館

印象的な場所の1つに,ナミュールフェリシアン・ロップス美術館がある。ロップスがナミュール出身ということで,彼の作品が数多く収蔵されているのだ。

このロップス,印象派の有名な画家なのだが,浮世絵の春画も真っ青というような官能的・背徳的な作品を多く描いている。特に官能的・背徳的な作品は最上階の1コーナーに固めて掲示されているのだが,とりあえず最上階から下りていこうということでそのコーナーを最初に回ったため,ロップスに対する印象がそのような画家ということで固まってしまった。実際には本の表紙の挿画なども数多く手がけており,着衣の女性の描き方などを見ても素敵な描き方をすると感じられる画家なのだが,最初の印象が余りにも強烈すぎた。

美術館の2階には,ロップスの生まれてから今日までの年表があるのだが,何と日本でも美術展が行われたようで,その時の入場券が展示されていた(伊丹市立美術館の告知町田市国際版画美術館の告知(PDF))。また,美術館のショップでは,日本での美術展の際に発行された解説書も発売されていた。ショップでは,美術館展示作品が多く収蔵されている別の画集を買ったが・・。

伊丹市立美術館のお知らせには,「彼は新しい戦慄を呼び醒ました」とあるが,そのような表現にも首肯せざるをえないようなすごさがロップスの作品にはあった。

デュルビュイの小便小僧

世界で一番小さな町を売り物としている町,デュルビュイ。そこに,トピエ公園という,剪定芸術(盆栽の大型版とでもいうべきか)を配置した公園がある。配置された作品の1つが小便小僧。なんと,ブリュッセルのものと同じ身長で作ったとか。連れ合いいわく,小便小僧は世界三大がっかりの1つにふさわしいもので,この剪定芸術はその予習になるということでした。でも剪定芸術の小便小僧,なかなか愛らしいものだった。

ジャンネケ・ピス

ブリュッセルに戻って本家小便小僧を見た後,その女性版のジャンネケ・ピスを見に。レストランが軒を並べる通りから1つ小道を入ったところにそれはあった。
一緒に行った連れ合い,どんな格好をしているのか興味があるということだったが,現物を見て「何かやだ・・・」。私はただ「ほー」と見つめるだけだった。ああ,おしっこしてるんだ,って。ガイドブックや,帰国後見たサイトでも,ジャンケネ・ピスについてはビミョーだという感想を持つ人が目立つように感じたのだが,小便小僧(マネケン・ピス)もジャンネケ・ピスも小便をする普通の格好には違いないんだろうし,この2つの像に対する人々の反応の差って何なんだろうか?小便をするところを見られることについての社会的性差(ジェンダー)がこのような感想に反映しているんだろうか?

チョコレートの内外価格差

職場への土産はブルージュsukerbuycで購入。来訪1日めに試食用を購入し,食べてみておいしかったのでこれに決定。ブルージュにしかないというのも決め手になった。日本ではNHKの番組でも取り上げられたようで有名どころではあるのだけれどもね。

ブリュッセルでは日本にも店舗展開しているいくつかの店を回る。そのうちの某店でアソート詰め合わせを1箱買ったのだが,日本に帰ってきて日本での販売価格を見てびっくり。日本での販売品は箱が上等になり,1粒ずつ小分けになっているという違いはあるが,こんなに違うとは。日本でも有名な店のものだし,土産もそちらにすればよかったかも。それより何より,とてもおいしいので,もう1箱買って帰れば良かった。

ちなみにその店,米国にも出店しており,米国での価格もベルギーよりかなり高いのだが,最近の円高ドル安の影響か,日本での価格よりは安くなっている。日本とベルギーの価格差も,最近の円高ユーロ安(一時期よりは緩和されたが)によって開いたものであろうが,この価格差,少しは縮まってくれないものだろうか(もちろん日本での価格が下がる方向で)。